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Design Concept [デザインコンセプト]

ソニー・ミュージックスタジオ(東京)のデザインコンセプト

スタジオバウトン 2001/03/13
Peter Grueneisen ピーター・グリューナイセン (スタジオ設計担当)

この21世紀の初めにおいて、全く新規にレコーディングスタジオを設計・建設することは大変貴重な機会です。このプロジェクトの立ち上げに際するソニー・ミュージックからの要望は、非常に複雑で技術的なスタジオ設備と、快適でクリエイティブな環境とを継ぎ目なく統合することでした。またアーティストが音楽を創造する場として、レコーディング機器、音響特性、エルゴノミクス、建築的スペースデザインといった要素が完璧にバランスしている必要がありました。音楽作りから注意を逸らすことなく、アーティスティックな創造・制作活動の様々な場面をサポートできるよう、空間をデザインしました。そしてこのスタジオには今日の世界水準のレコーディング設備の最先端があります。レコーディングからミックス、マスタリングまで、現在の最高の技術を最大に発揮できる空間であると同時に、将来的な発展を見据えて新しいフォーマットやメディアへの対応設備も用意し、メディア制作の未来を見ることができます。

人間工学的にデザインされた広いコントロール・ルームは、正確なモニタリング環境を実現し、効率的なオペレーションと快適な居住性を実現します。また全てのスタジオの壁面に埋め込まれたラージ・スピーカーは、このプロジェクトのために特別に設計されました。天井が高い大きなスタジオスペースは、アイソレーションブースとして分割することができ、多様な録音形態と音響環境を可能にします。スタジオ壁面の材質と色調は、素材を自然のままで使って、色褪せない高級感を醸し出すことをテーマにしています。現代的な手法を用いながらも、快適で魅力的な雰囲気の空間を作り上げることができました。スタジオは録音機器や音響工学を考慮すると複雑になりがちですが、クリーンでシンプルな細部のデザインが全体を一つにまとめ上げています。

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Design Concept [デザインコンセプト]

TTMF-2(オリジナルスピーカー)

STRAUSS ELEKTROAKUSTIK GMBH (スイス・ベルン) 2001/03/16
Jurgen Strauss ユルゲン・シュトラウス (マスタリング・モニター設計担当)

ミッドフィールド・スタジオモニターのTTMF-2は、点音源の2ウェイ・モニタースピーカーです。22kHz以上の超高音域再生を実現したスーパーツイーターは、スイッチによるON/OFFの切り替えが可能で、SACDマスタリングなどにも対応しています。低音域については、シュトラウス・エレクトロアコースティック社で特別に開発されたユニークなバスレフ方式を採用し、高い機械的安定性と高効率を実現しています。中高域を担当するSONY SUP-T11コンプレッションドライバーは、ホーンとの組み合わせで素晴らしい質感と周波数特性を実現しています。パッシブ・フィルター・ネットワークは2次のLinkwiz-Rileyフィルタを基本とし、時間領域のすべての点において音の分散が均一になるよう最大限にカスタマイズされたものです。TTMF-2モニターを使用して楽しく仕事をしていただければ幸いです。